ビヨンドミート(アメリカ)を徹底解説! 代替肉の特徴や日本での販売は?

ビヨンドミート(アメリカ)を徹底解説! 代替肉の特徴や日本での販売は? 解説

こんにちは!うーしーです。

世界的にSDGsが掲げられ、持続可能な社会を目指す動きが強まるとともに、代替肉が世界で広く食べられるようになりつつあります。

そこで気になる国内外の代替肉に取り組む企業を徹底解説していきます。

今回はアメリカのビヨンドミートです。

ビヨンドミート(Beyond Meat)とは?

ビヨンドミートはアメリカのカリフォルニア州に本拠地を置くフードテック企業です。
イーサ・ブラウン氏が再生可能エネルギー業界から転向し、2009年に創業しました。

同じアメリカのインポッシブルフーズと並び、世界を代表する代替肉企業2強のうちの1つです。
インポッシブルフーズと比較すると、世界展開や上場という点において先を行きます。

BEYOND BURGER(ビヨンドバーガー)ビヨンドバーガー(引用元:BEYOND MEAT)

また、ビル・ゲイツ氏やレオナルド・ディカプリオ氏が出資していることでも有名です。
2019年5月にNasdaqに上場し、植物性食品の企業として初めての主要な取引所での株式公開となりました。
株式の取引初日は株価46ドルからスタートし、最終的には163%増で終え、2億ドル以上を調達しました。これが2000年以降アメリカ企業最大のIPOとなり、時価総額は約38億ドル(約4200億円)となりました。
2021年8月9日現在、株価は約130ドル、時価総額は約82億(約9000億円)となっています。

BEYOND MEATBALLS(ビヨンドミートボール)ビヨンドミートボール(引用元:BEYOND MEAT)

ビヨンドミートのミッションは植物から肉を作ることによって、
・人間の健康
・気候変動
・天然資源への制約
・動物福祉
の4つの地球規模の問題にプラスの影響を与えることとしています。

環境への影響として、ビヨンドバーガーは4分の1ポンド(約113g)のビーフバーガーと比べ、
・水の使用量は99%少ない
・土地使用量が93%少ない
・温室効果ガスの排出が90%少ない
・エネルギー使用量が46%少ない
という、ミシガン大学の分析結果をHPに示しています。

 

ビヨンドミートの代替肉の原料・栄養成分

ビヨンドミートの代替肉の大きな特徴としては、遺伝子組み換え作物・大豆・グルテン不使用という点です。また、ホルモン剤・抗生物質・コレステロールフリーの植物性食品であることがHPに明記されています。

BEYOND BURGER(引用元:BEYOND MEAT)ビヨンドバーガーのハンバーガー(引用元:BEYOND MEAT)

原料

主な栄養分とそれに相当する原料は以下の通りです。

タンパク質
豆と米(エンドウ豆・緑豆・そら豆・玄米)。
大豆とグルテンは不使用。

・脂肪
ココアバター・ココナッツ油・キャノーラ油。
科学的に抽出したものではなく、キャノーラ油は圧搾によって製造されたものを使用。

・ミネラル
カルシウム・鉄・塩・塩化カリウム。
肉に近い味や栄養を実現するために添加。

・着色料・香料
ビーツジュースエキス・リンゴエキス・天然香料。

・炭水化物
ポテトスターチ(馬鈴薯でんぷん)・メチルセルロース
素材をまとめる小麦粉の役割。

・その他
ヒマワリレシチン→天然の乳化剤。素材同士の分離を防ぎ食感を向上させる、卵の役割。
アルギン酸カルシウム→海藻由来の増粘剤。
酵母エキス→酵母から作られた食品香料。ビタミンB群を添加。

ここで、ビヨンドミートの代表的な商品「ビヨンドバーガー」の原材料と栄養成分を紹介します。

ビヨンドバーガー

2016年に初めて販売され、その後改良が重ねられ、2019年と2021年にそれぞれバージョンアップされました。

アメリカの通販サイトtargetではパティ2枚入りで4.79ドル(約528円)でした。
amazonの商品レビューでは星5点満点中の4.6(うち5が78%、4が11%)と好評です。

BEYOND BURGER(ビヨンドバーガー)ビヨンドバーガー(引用元:BEYOND MEAT

原材料
水、エンドウ豆たんぱく、圧搾キャノーラ油、精製ココナッツ油、ライスプロテイン、天然香料、乾燥酵母、ココアバター、メチルセルロース
以下含有率1%以下:ポテトスターチ、食塩、塩化カリウム、ビーツジュース色素、リンゴエキス、ザクロ濃縮物、ヒマワリレシチン、酢、レモン濃縮果汁、ビタミン・ミネラル(硫酸亜鉛、ナイアシンアミド(ビタミンB3)、塩酸ピリドキシン(ビタミンB6)、シアノコバラミン(ビタミンB12)、パントテン酸カルシウム

栄養成分(パティ1枚、113gあたり)
カロリー    230kcal
総脂肪     14g(飽和脂肪 5g、トランス脂肪酸 0g)
コレステロール 0mg
ナトリウム   390mg
炭水化物    7g(食物繊維 2g)
たんぱく質   20g
ビタミンD    0mg
カルシウム   100mg
鉄       4.0mg
カリウム    330mg

添加物の種類がそこそこ多い一方で、高タンパク・コレステロール0と栄養価は悪くない印象です。
また、焼く前は赤い状態で、焼くと茶色く変色し、視覚的にも本物の肉に近いようです。

 

その他ビヨンドミートの代替肉商品

他にもたくさんの種類の代替肉が販売されています。

ビヨンドミートボール

2020年発売。サブウェイやスターバックスなどといった外食でもメニューに使われています。

BEYOND MEATBALLS(ビヨンドミートボール)ビヨンドミートボール(引用元:BEYOND MEAT)

 

ビヨンドブレックファストソーセージ

2018年発売。
円盤状(CLASSICとSPICY)と棒状(CLASSIC)があります。


ビヨンドブレックファストソーセージ(引用元:BEYOND MEAT)

 


ビヨンドブレックファストソーセージ(引用元:BEYOND MEAT)

 

クックアウトクラシック

ハンバーガーパティ8枚入りセットです。

COOKOUT CLASSIC(クックアウトクラシック)クックアウトクラシック(引用元:BEYOND MEAT)

 

ビヨンドビーフ

BEYOND BEEF(ビヨンドビーフ)ビヨンドビーフ(引用元:BEYOND MEAT)

 

ビヨンドソーセージ

2017年発売。
・BRAT ORIGINAL
・HOT ITALIAN
・SWEET ITALIAN
の3種類の味があります。

BEYOND SAUSAGE(ビヨンドソーセージ)ビヨンドソーセージ(引用元:BEYOND MEAT)

 

ビヨンドビーフクランブル

ビヨンドビーフのひき肉がバラバラに崩れたタイプです。
味の違う2種類(FEISTYとBEEFY)があります。

BEYOND BEEF CRUMBLES(ビヨンドビーフクランブルス)ビヨンドビーフクランブル(引用元:BEYOND MEAT)

 

さらに、2021年夏に植物性チキンの「ビヨンドチキンテンダー」を発売しました。
8月の段階で、アメリカ国内の400のレストランで展開しているとのことです。

BEYOND CHICKEN TENDERS(ビヨンドチキンテンダー)ビヨンドチキンテンダー(引用元:BEYOND MEAT)

 

ビヨンドミートの販売国・店舗 日本での販売は?

アメリカ国内ではウォルマートやパブリックスといった主要なスーパーマーケットで販売されています。また、カールスジュニアやダンキン、A&W、サブウェイといった有名ファーストフードチェーンでもビヨンドミートを使ったメニューが販売されるなど、アメリカにおいては広く導入されているといえます。

また、ビヨンドミートは2018年夏以降本格的に海外進出を開始しました。そして、2020年12月時点では世界80か国で販売されています。その後もヨーロッパ・アジアなどへ次々と進出しています。

・現在販売が確認されている国の例
カナダ、アメリカ、ブラジル、オーストリア、フランス、スイス、ドイツ、イギリス、スペイン、オランダ、ベルギー、シンガポール、中国、韓国、クウェート、UAE、オーストラリアなど

日本での販売はまだであり、現状で食べるには販売されている国に行くか海外で購入したものを持ち込む必要があります。しかし、コロナウイルスの影響で海外への渡航や帰国のハードルは高くなっており、ビヨンドミートの代替肉を食べたことのある日本人はかなり少ないでしょう。
日本での販売については、今後国内における代替肉の需要が増え、市場がより拡大したタイミングでの参入が予想されます。

ビヨンドミート代替肉を食べたことのある知り合いによると、料理として出されたら騙されるほど本物のお肉に近いとのことです。

P.L.TバーガーP.L.Tバーガー(引用元:BEYOND MEAT)

海外では日本人にもなじみの深いチェーンにおいてのビヨンドミート導入も進みつつあります。
代表的な例として、2019年以降アメリカ国内を中心にマクドナルドでP.L.Tバーガー(プラント、レタス、トマトの略)、KFCでビヨンドフライドチキンがそれぞれテスト販売されています。
2021年に入ってからはヤム ブランズ社(Yum Brands:KFC、ピザハット、タコベルのブランドを持つ企業)やマクドナルドと植物性メニューを共同開発するグローバルな戦略的提携を開始しました。よって、将来的にこれらチェーンの世界中の店舗でビヨンドミートの代替肉が提供されることが予想されます。

また、スターバックスではカナダや中国、イギリス、UAEなどでビヨンドミートの代替肉を使用したメニューが販売開始されました。

 

まとめ

以上、ビヨンドミートについてでした。

海外展開の様子や上場していることを考えると世界一の代替肉企業といっても過言ではなさそうです。多くの国に次々と市場を拡大しており、日本への進出も含め注目の企業です。

 

参考サイト
Beyond Meat
フードテック革命 世界700兆円の新産業
Foovo 「ビヨンドミートが欧州での小売展開を拡大」
Market Watch 「Beyond Meat soars 163% in biggest-popping U.S. IPO since 2000」
YAHOO!ファイナンス ビヨンド・ミート
Intrado 「Beyond Meat® Announces Major Retail Expansions Throughout Europe」
VegNews

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